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くろんぼこけしが入っていた箱
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毎日、昭和時代のお土産を紹介しております、昭和スーベニイル手帖、短期集中ブログということで、既に1月11日にスタートして、既に10日間が経過しました。
さすがに、毎日毎日同じようなものばかりで、そろそろ食傷気味の方もいらっしゃるのではないかと思います。
ということで、今日はちょっと趣向を変えて、お土産そのものではなく、お土産が入っていた外箱のお話をしてみようと思います。

僕はもともとパッケージ・マニアで、古いものが入っていた箱に非常に強い興味を持っている人間なので、お土産こけしに関しても、いったいどんな箱に入っていたの?というのは、かなり重要な問題となっています。
そんなに頻繁ではありませんが、元箱に入ったままの状態で「こけし」が見つかることもあり、そういう機会にパッケージの研究をひっそりと進めたりしています。

まず、本日の最初の写真は「くろんぼこけしの箱」です。
「くろんぼこけし」って俗称なのかと思っていたら、ちゃんと商品名だったんですねー。
箱にきちんと書いてあるし。
こういうのはひとつの発見ですよね、「くろんぼこけし」は正式名称だった、という。
いろいろな言論統制から「くろんぼ」という表現そのものが日本の国内から消えてしまったことを考えると、このパッケージは過去の文化を知る、貴重な資料となりそうです。

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続いて、バラの花が可憐な外箱です。
デパートの包装紙なんかを彷彿させるデザインですが、箱の蓋を開けると、中から「ひょっとこ」みたいな「こけし」が登場します(笑)
中身とのアンバランスな感覚が昭和っぽいというところでしょうか。
昔の人たちは、こういう箱のデザインにも気を遣っていたから、ただのパッケージとはいえ、捨ててしまうのは勿体なかったことでしょうね。
考えてみると、我々の母の世代というのは、こういうゴミみたいな箱や包装紙なんかをきれいに整えて、いつまでも取っておく風習があったような気がします。
消費文化に慣れた僕らには、ちょっと考えられないことなんですが、モノを捨てることに抵抗を感じた時代というのは、確実に存在していたのです。

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続いて、「北海道土産の箱」です。
分かりやすいですね、北海道土産。
「札幌三越」と販売店の名前も入っています。
でも、こういうのって製造元と販売元との関係ってどうなっているんでしょうね。
あらかじめ、札幌三越専用に製造している? 既製品を仕入れては札幌三越で自社の箱に詰めて売っている? 考え出すと、いろいろと謎が残ります。
まー、こういうことは「お土産こけし」に限って話でもないのですが。
でも、こういう箱は、お土産こけしが間違いなく札幌三越で販売されていたという資料になるので貴重です。
ちなみに、中身はアイヌ夫婦のこけし人形です。

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続いて、「特選 趣味のこけし」の外箱。
こちらは、「お土産」タイプではなくて、「趣味」で「こけし」を集めていた人たちのための「こけし」の箱ですね。
「こけし」ブームの時代には、こうした「趣味のこけし」がたくさん売られていたそうです。
現在、我々が見ることのできる「こけし人形」の多くが、こうして売られていたものだと思われます。
中には、通信販売で、毎月ひとつずつ「こけし」が送られてくるという会員制の制度なんかもあったみたいです。
当時は、食器なんかにしても、こうした制度が多かったようですから、「趣味のこけし」にも同じような制度があったということなんでしょうね。

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そして、本日最後の箱は「思い出のランプ」の箱です。
この時代のお土産には、本当に良く「ランプ」が登場しますね。
生活が豊かになって、身の回りから「ランプ」が消えてしまったことに対する郷愁、ノスタルジーということなんだと思います。
「ランプ」が「電気照明」に変わっていったのは、大正時代から昭和初期にかけてのことですから、なぜ昭和中期に「思い出のランプ」なのかという疑問はちょっと残りますが。
「こけしランプ」の定番パターンとして、ランプのホヤの中に2体の「こけし」が入っているものがあるようです。
ランプの笠にテントウムシが乗っていたりするのも定番ですね。

今日は、いろいろな「こけし」の箱をご紹介しましたが、こうして箱だけ眺めていても、そこから漂う時代のオーラみたいなものがありますね。
お店によっては、箱は不要として捨ててしまうところもあるみたいなのですが、できることなら、多少汚れたり壊れたりしていても、元箱は「こけし」と一緒に保管したいところです。
「こけし」と同じように「元箱」も時代の証人のひとりなのですから☆
by kels2007 | 2007-01-22 19:42 | 南国テイスト